CassandraやMogileFS、KumoFSなど、複数のサーバで構成されるサーバソフトウェアをテストしたいことが多々あるので、VirtualBoxを使って分散環境を作ってみました。ネットワーク関連の設定でややコツが必要だったので、ちょっとまとめてみました。
要件
- ホストOSからゲストOSにSSHでアクセスしたいので、ホストOSからゲストOS間にアクセスできること
- 分散コンピューティングのテストがしたいので、ゲストOS間でもアクセスできること
- ゲストOSからインターネットに出れること
- ネットワーク上にある他のマシンからはゲストOSにはアクセスできなくてもOK
やり方
今回はネットワーク上の他のマシンからはアクセスできなくてもよいので、ネットワークの設定ではブリッジアダプタを使わずに、ネットワークアダプタを2つ使い、NAT+ホストオンリーアダプタという構成にします。NATというのはゲストOSから外部ネットワークに接続できる構成で、ホストオンリーアダプタというのはホストOSとゲストOS間のみでやり取りできるアダプタです。
具体的なやり方を書いておくと
- VirtualBoxをSunのサイトからダウンロードします。(自分は3.1.6 を使用しています)
- 仮想マシンを作成し、ネットワークの設定でアダプタ1で"NAT"を、アダプタ2に"ホストオンリーアダプタ"を選択します
- 終わったらOSをインストールして下さい。自分は今回CentOS 5.4を使用しました。
となります。これをゲストOSの数だけ繰り返して下さい。(もしくは仮想マシンを一つ作ってそれをコピーするのもよいでしょう)
インストールが終わったらゲストOSにログインして /sbin/ifconfig を実行してみて下さい。自分は今回centos-01とcentos-02 の2つのゲストOSを作ったところ、DHCPで下記のようにIPが割り当てられていました。
- centos-01: eth0 10.0.2.15, eth1: 192.168.56.101
- centos-02: eth0 10.0.2.15, eth1: 192.168.56.102
この時点で期待していたことができるか確かめてみます。
- ホストOSから192.168.56.101,102にping
- ゲストOSから192.168.56.1(ホストOSのIP)にping
以上で複数サーバによる分散環境ができましたが、サーバ用途ではDHCPだと後々面倒な事になりそうなので、最後にこのDHCPで割り当てられた設定を参考に static なIPを設定しておきます。具体的にはゲストOSのeth1を192.168.56.10xにすればOKです。以下はcentos-01 の /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth1 の変更箇所です。
--- ifcfg-eth1.orig 2010-04-12 00:11:39.000000000 +0900
+++ ifcfg-eth1 2010-04-12 00:18:52.000000000 +0900
@@ -1,6 +1,9 @@
# Advanced Micro Devices [AMD] 79c970 [PCnet32 LANCE]
DEVICE=eth1
-BOOTPROTO=dhcp
+BOOTPROTO=static
HWADDR=08:00:27:BD:DD:6C
ONBOOT=yes
+IPADDR=192.168.56.101
+NETMASK=255.255.255.0
+NETWORK=192.168.56.0
変更したらnetworkを再起動します。
# /etc/init.d/network restart
centos-02は 192.168.56.102 のIPに設定しています。centos-01からcentos-02にpingしてみて通るか確認してみて下さい。
$ ping 192.168.1.102
これで通れば設定完了です。無事複数サーバによる分散環境ができました。
余談:なんでVirtualBox?
- 無償で使える
- GUIによる設定画面がわりとわかりやすい
というのが気に入って使っています。VMwareもWindows,Mac,Linuxで使えますが、Mac版のVMware Fusionは有償なのがちょっと嫌でした。VirtualBoxは使っていてちょっと重いと思うこともありますが、突然落ちたりはせず非常に安定しているので、デスクトップPCで軽く仮想環境を作りたい場合には重宝しています。