- 作者: 金成隆一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/12/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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を読んだので、メモと感想。
感想
まず「MOOCSってなに?」という状態からスタートした自分。MOOCSとはMassive Open Online Coursesのことで、有名なところだと coursera とか udacity がある。大学の講義などをオンラインの動画で見ることができて、どこにいても講義を受けられることがメリット。
この本の最初の方は、いかにMOOCSが素晴らしいか、MOOCSを使っていい教育を受けた人がいるかを述べていて、若干退屈だったけど、中盤から後半はMOOCSの仕組みとかビジネスモデルについて詳しく書かれていて良かった。あと、作者本人が取材しているので実際の生徒の生の声が書いてあるのが良かった。
2013年に出版された本なので若干情報が古いけど、作者自身シリコンバレーに行ってcouseraやudacityにヒアリングしているなど、かなり骨太なルポですごいなと思った(小並感
最初の方
- 学び続ける母親の姿は家族にも良い影響を与える。子供も勉強するようになる。
- コンピュータを使ったデータ解析がいいらしい。
- 一度は教科書で学んだ内容でも、大学教授の解説を聞くと不思議なほど理解が深まった。スタンフォード大学の講座を受けた人の話。
p.40
求職中の受講生の学習履歴を見ることができる。この講義で成績トップ10の情報を知りたい、との企業からの依頼にもコーセラは応じる。
p.47 ユダシティのビジネスモデル
企業が講座の制作費をサポートし、講師が学生に教える。受講生はきちんとスキルを証明することで就職できる。企業は能力と努力を確かめて新しい人材を探せる。 プラットフォームとしてのユダシティにも運営資金が入る
p68
ムークで好成績を収める人は大学入学にも道が拓ける
p75 オープン教材について
高校の数学の授業ではなぜその公式が機能するのかを説明しないが、MITの教材では動画でそれを説明していた。
p135 サルマン・カーン
わかりやすい説明で有名になった。足し算から高度な数学や経済学、生物学、物理学、宇宙論など一人で講義動画を撮影している。日本語字幕もある 講義の中では、微分積分のコースで、マイナスとマイナスをかければプラスになる、というような細かいことも声に出す。これをありがたいと思う子供がたくさんいるらしい。カーンアカデミーの運営費は700万ドル。VCの資本は入れず、ゲイツ財団や個人の寄付から成り立っている。
p146
現在の学校教育では、教える時間が固定されていて、生徒の理解度は変数になっている。これは逆で生徒の理解度を固定するべき。特に数学は一度理解が追いつかなくなると、次の授業も理解できなくなってしまう。
p158 反転授業
講義のビデオを自宅で見て、授業では宿題や課題をやること。生徒は実践的な学習や友人との共同作業、友人の成果を評価することに取り組む。先生たちは子供たちに一対一で教えたり、助言したり、鼓舞したりできるようになる。これは先生が中心の教室から、生徒が中心の学習環境へのシフトである。
p202 日本でのオープンエデュケーション
manavee。大学受験応援サイト。 予備校に通えるのはお金がある家庭だけ。マナビーは全て無料。 動画を見ていた受験生が大学生になりボランティアで講義で教えるという好循環。
学校では教えてくれない教科でもマナビーでは講義がある。 テクノロジーで教室を再現することはできないか?hangoutとかで。